フェニーチェ歌劇場友の会
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1月2日号

BUON  ANNO!!!
日本のフェニーチェファンの皆様、あけましておめでとうございます。TANTI AUGURI !!

やっとニューイヤーコンサートが終わりました。今年は30日から3日続けて3回のコンサートでクタクタです。今年の目玉はなんといっても「アイーダ」の「MARCIA TRIONFARE」 だったわけですが、期待通りスペクタクルに盛り上がりました。テノールのマルチェッロ・ジョルダーノが直前キャンセルでワルター・フラッカーロが登場、おなじみの「NESSUN DORMA」でまたまた大喝采でした。ソプラノがフェニーチェ初登場のバルバラ・フリットリ、これをきっかけにオペラにも出演してもらいたいものです。

フェニーチェはニューイヤーコンサートのテレビ中継をRAI(イタリアのNHK)と10年間契約していて今回が5年目です。5年前まではイタリア全土元旦の12時にはウィーンのニューイヤーコンサートが中継されていました。あのウィーンのコンサートはこちらでは「神聖なもの」「何ものにも変えがたいもの」「畏れ多いもの」みたいに思われていたのです。それがRAI第1チャンネルのディレクターのファブリーツィオ・デル・ノーチェの勇気ある決断(?)でイタリア版ニューイヤーコンサートが実現したのであります。

5年たった今でも“ウィーン” 派と“イタリア国民楽”派の対立は続いていて、この時期になると新聞やテレビで必ず話題になっています。私個人としてはもちろん大切なイヴェントだとは思いますが、毎年、じゃなくて1年ごとにフェニーチェの次はスカラ、その次の年はローマ歌劇場、その次はパレルモ、といった具合にイタリア国内を巡回したらいいと思います。このコンサートが毎年議論の的になるのは、やはりほかの劇場のヤッカミもあると思います。「なんでフェニーチェでウチじゃないの?」みたいなことはイタリア中の歌劇場のcolleghiが思っていると思います。それにこれはまったく個人的なことで恐縮ですが、ニューイヤーコンサートがあると私はお正月に日本に帰れないのです。もう何年も前ですが瀬戸内寂聴大先生の「京まんだら」という小説を読んで以来、一度京都で新年を迎えてみたいと思っているのです。「ゆきむら」みたいな隠れ家風の宿で、友禅のフトンをかけた炬燵に入って除夜の鐘を聞く、のがここ数年、私の夢なわけです。

イタリアのお正月というのはあまりにアッケラカンとしていて「シミジミ」とか「情緒」に欠けるのです。カトリックの国イタリアのクリスマス・シーンについては前回書かせていただきましたが、その直後の大晦日、新年というのはこちらではオマケというか、ついで、というのか、その程度なのです。一般的なのが、ここヴェネツィアではサン・マルコ広場に繰り出して、持参のプロ・セッコあるいはスプマンテで乾杯、です。去年までは花火があがりましたが今年は広場にある「歴史的モニュメント」を傷める可能性がある、ということで中止になりました。それでも広場には舞台が設営されてロックがガンガン鳴り響き、ミランが横浜で優勝した時みたいにサクラ吹雪が舞い上がったりしたそうです。

イタリア国内でもたとえばナポリなんかだとまたまた様子が違ってきます。あちらは花火の本場ですから、見てきれいな花火だけでなく爆竹やかんしゃくだま、それも玩具屋で売っているようなものではなく違法ルートで出回る爆竹というよりは爆弾といっていいような危険なものを爆発させて喜ぶ、といった習慣があります。もっとひどいのはピストルをたとえば家のテラスから適当に発砲する、なんていうトンデモない連中もいます。今年も流れ弾にあたって何人か亡くなりました。アメリカほどではありませんが、こちらでも結構簡単にピストルなど手に入るというのは本当に恐ろしいことです

ニューイヤーコンサートからナポリまで脱線してしまいましたが、というわけであと5年は「京都の除夜の鐘」はおあずけです。まあ楽しみは先にのばせばのばすだけ大きくなるといいますから。

前回クリスマス・ツリーやプレゼーペのお話をしましたが、これらのデコレーションは1月6日のエピファニーアの日までずーっと飾っておきます。ですから もちろん新しい年もクリスマス・ツリーの下で迎えるわけです。日本でたとえば“ひな祭り”のおひな様を片付けないでダラダラ飾りっぱなしにしていると「お嫁にいけなくなりますよッ!」なんていわれて育った私には違和感があります。エピファニーアというのは12月25日に生まれた神の子キリストに東方三博士が贈り物を持って会いに来たことにちなんで、子供たちが靴下にいれたプレゼントをもらいます。“良い子”の靴下にはチョコレートやクッキー、“ワルイ子”の靴下にはカルボーネ(炭)をいれます。この靴下を持ってくるのが“ベファーナ”(醜い老婆、鬼婆)です。“サンタクロース”や“長靴”“靴下”といろいろ交じり合っているわけです。ヴェネツィアではこの日「Regata della Befana」というゴンドラ競漕があります。漕ぎ手(男性)が老婆に扮装してリアルトの橋の下がゴールになる、ヴェネツィアでは珍しいBUFFAなイヴェントです。6日の“べファーナ”の次の日からカルネヴァーレです。有名なヴェネツィアのカルネヴァーレについてはまたゆっくりお話します。

では、あらためて、皆様TANTI  AUGURI  DI BUON ANNO!

 

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