フェニーチェ歌劇場友の会
本文へジャンプ

1月7日号

日本のフェニーチェ・ファンのみなさま、ごきげんいかがですか?
三ヶ日も終わってそろそろお正月気分が抜けるころでしょうか。こちらは明日から子供たちの学校も始まってスッキリします。前回お話しましたように今日はエピファニーア、カナル・グランデでは予定通り「べファーナの競漕」がおこなわれました。リアルトの橋から賞品が入った大きな靴下がぶら下がっていました。ただ、このところお天気が悪く毎日雨で雪までちらつく始末。今日もどんよりとした空の色です。イタリア語でこういううっとうしい日のことを“ウッジョーザ”という形容詞で表現します。いかにも憂鬱でやりきれない、といった感じが“音”になっていると思います。

さて今日で一ヶ月近く続いたクリスマス・シーズンが終わるわけです。明日は朝早くツリーやプレぜーぺを片付けて、家中の大掃除をする予定です。クリスマス・ツリー(イタリア語でアルべロ・ディ・ナターレ)で思い出しましたが、こちらで 頭のてっぺんからつま先までギンギラにおしゃれした人のことを「アルべロ・ディ・ナターレみたい!」なんて言います。日本語だと「満艦飾」、でしょうか。今、テレビのニュースに女優のソフィア・ローレンがでていましたが、もちろん彼女が「アルべロ・ディ・ナターレみたい」なんて口が裂けてもいえませんが、70歳を過ぎても真っ赤なドレス、それも大きく胸を盛り上げたデコルテ、「がんばってるナー」という感じ。ローレンといえばイタリアを代表する大女優、「ラ・チョチャーラ」(日本題は“二人の女”だったと記憶していますが)でオスカーの主演女優賞までとったホンモノの大女優です。ちなみにチョチャーラというのはチョチャリーア地方の女、という意味です。チョチャリーア地方というのはローマの南東部にある丘陵地帯のことで、有名なパスタのSUGO (ソース)アマトリッチャーナはここの出です。ついでにアマトリッチャーナの簡単な作り方をお教えしましょう。手早くできて誰もが好きなSUGOなのでベンリです。

まず多めの油で細かく切ったベーコンをよくいためます。油にベーコンの味がしみこんだらベーコンを取り出します。たまねぎのみじん切りとぺぺロンチーニを同じ油でよくいためパッサータ・ディ・ポモドーロ(トマトピューレ)かトマトの水煮を入れ煮込みます。最後にベーコンを戻して塩で味付けをして出来上がりです。パスタは「ブカティー二」(真ん中に穴があいた太目のスパゲッティ)が一般的ですがペンネでもリガトー二でもOK です。お試しください。

脱線しましたが、そうローレンはイタリアを代表する大女優なんです。それだけではなくて彼女はイタリアを代表する美女なのです。黒い髪、大きな強い目、大きなバスト、大きく張った腰、きゅっとくびれたウエスト、これらがイタリア的女性美のベースです。とにかくセクシーでないといけないわけ。セクシー第一です。もちろんタレントや女優サンだけでなく一般の女性のおしゃれの基本も「いかにセクシーに見せるか」です。たとえば市場で野菜を売ってるオバサンだって大きく胸が開いたセーターなんか着てるし、ウチのお掃除をたのんでいる女の子は超ミニ・スカートにランジェリーみたいなぺらぺらなブラウスで登場します。このローレン路線を行く2000年代の代表選手がモニカ・べッルッチでしょう。彼女の場合フランス人と結婚して住んでいるのがパリなので、ローレンよりは洗練されちゃってる感じですがまぎれもないイタリア的美人です。

この二人とまったく逆な「BELLEZZA 」(美しさ、美しい人)が今大騒ぎになっている、新フランス大統領サルコズィの“愛人”カルラ・ブルー二。全ヨーロッパのゴシップです。カルラ・ブルーニはトリノの有名な財閥家の生まれで子供のころにパリに一家で引っ越しているのでフランス人みたいに思われていますが、れっきとしたイタリア人です。一家でパリに引っ越した理由というのが「身代金目的の誘拐をさけるため」だったそうです。当時イタリアでは悪名高き「アノニマ・セクエストリ」という組織があちこちでそれはそれは残虐な手口で誘拐をくりかえしていて、金持ち階級は震え上がっていたのです。残虐な、というのはたとえば人質の耳を切り落としたり、目をえぐったり、最終的には殺されちゃったりしたわけです。まあそういったわけでパリに移ったブルーニ一家ですが、エッフェル塔近くのアパルトマンにはシラク元大統領やもろもろのVIPが出入りしていたとのことです。シラク元大統領のカバン持ち(?)だったのがサルコズィ氏。カルラはトップモデルになり今は歌手。彼女の声はとてつもなくハスキーで蚊の鳴くような小さな小さな声です。オペラを歌うわけじゃないから声がちいさくてもハスキーでもいいわけですが、何年か前に「サン・レモ音楽祭」にゲストとして出てきたときはびっくりしました。このカルラ・ブルーニの美しさをイタリア語で「BELLEZZA  ARISTOCRATICA」といいます。上品で近寄りがたい美しさ、ソフィスティカータ(洗練された)で都会的な美しさ、といったところでしょう。サルコズィ大統領とカルラは2月9日にいよいよ結婚!とこちらでは言われています。なぜイタリアでこれだけ大騒ぎになるかというと、イタリアとフランスという二つの国はもともとライバル意識が強く、特にイタリアは歴史的なコンプレックスも手伝って何とかフランスのハナをアかしてやりたいといつも思っているのです。ここでカルラがフランスのファーストレディになったらカテリーナ・ディ・メディチのお嫁入り以来の大イヴェントになるわけです。離婚経験があって子持ちの40歳になるカルラと、これまた離婚したばかりで大統領になりたてのサルコズィの人目をはばからないラヴ・ストーリーの行方をヨーロッパが見守っています。

きょうはカルネヴァーレ(カーニヴァル・謝肉祭)についてお話しようと思っていたのですが脱線転覆して、午後のワイドショーみたいになっちゃいました。お詫びにこういうおしゃべりにぴったりな飲み物“ヴィン・ブルレッ”をご紹介します。“ッ”はレにアクセントある、という意味ですのでレを強く発音してください。「ホット・ワイン」です。ワイン1瓶に大さじ3,4はいのお砂糖、りんご一個を細かくきざんだもの、シナモン1本、キヨーディ・ディ・ガローファノ(日本語でなんていうのか思い出せません)10個をいれて煮立てます。最後にマッチの火でアルコール分を飛ばして出来上がりです。ワインは赤ワインを使うのが一般的ですが白ワインでもできます。どちらの場合もあまり立派なワインではなくて赤ならメルロッ、カべルネ、白ならトカイ、ピノッ・ビアンコ等、でお試しください。午後のティータイムや真夜中のお友達とのひと時にピッタリです。

 

Amici della Fenice in Giappone. All rights reserved. 2006.