フェニーチェ歌劇場友の会
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ヴェネツィアからの便り (11月21日号)

日本のフェニーチェ・ファンの皆様、ご機嫌いかがですか?

こちらヴェネツィアは、11月も半ばをすぎてようやく冬の気配です。
今日は11月21日、ヴェネツィア市の保護聖人の日で祝日です。
ヴェネツィアの保護聖人はもちろん聖マルコですが、4月25日の聖マルコの日は共和国記念日で国の祝日に重なるため、ヴェネツィアの保護聖人は聖マリア・デッラ・サルーテ、カナル・グランデがサン・マルコ湾に広がるちょっと手前にあるロンゲーナの傑作がその教会です。この教会は1600年代の有名な“ペストからの開放”に感謝して建てられたものです。毎年この時期になりますとカナル・グランデの反対側のサンタ・マリア・デル・ジーリオから特設の橋がかけられて、市民(もちろん旅行者も)直接お参りできる様になります。サルーテにお参りして、聖母マリアの絵のついたローソクを買って、帰りに“3月22日道リ”に出る前の橋を渡った所にあるバールでチョコラータ・カルダ(ホット・チョコレート)を飲む、というのが伝統的なヴェネツィア市民のこの日の過ごし方です。例年、この時期は霧とアックア・アルタで悩まされるのですが、今年はヴェネツィア市民の行いが良かったのかまだ霧もアックア・アルタもやって来る気配がありません。

「霧」というと何といってもロンドンですが、ヴェネツィアの霧もハンパじゃありません。霧がたちこめますとヴェネツィアの市の交通機関であるヴァポレット、モトスカーフォ、ほとんど止まってしまいます。今では大部分の船舶にレーダーが装備されていますが、運転手(機関手というのかな?)がレーダーを読める、とは限らないのです。フェニーチェが焼けてトロンケットのテントに通っていたころは、本当にこの霧に悩まされたものです。
私のウチからピアッツアーレ・ローマまで早足で歩いて40分かかります。そこからタクシーが走っていれば5分ぐらいでトロンケットですが、歩くとなるとまた20分です。たっぷり1時間歩く、なんてことは日本の皆さんにはほとんどないことだろうと思います。
「霧の悪口」を書きましたが、仕事や用事で急いでなければ、霧の中を歩き回るのも悪くありません。夜の12時ころの霧のサン・マルコ、人もハトもいなくなったピアッツァひとりじめできます。リーヴァ・デッリ・スキアボーニに出てみるのも悪くありません。霧の中に浮かび上がる水路灯のにじんだ光は大変ロマンチック。

さてフェニーチェの話題です。
今は12月の「トゥーランドット」の準備です。
先日、舞台稽古に行ったらなんと日本人のキクチ・ユミコさん(どういう漢字かお聞きするのを忘れてしまいました、すみません)が演出助手としていらっしゃっていました。昨年サントリーホールでの公演で演助をされた時に演出家のDenis Krief氏に高く評価され、今回も彼の要請でフェニーチェ公演での起用が決まった、とのことです。
フェニーチェの舞台で日本の方と御仕事できるなんてなかなかないことなので、私も大変うれしく思っています。演出助手というのはかなりハードな役割で、ほとんど24時間体制でスタン・バイみたいになっちゃうこともなきにしもあらず、特に指揮者と演出家のあいだで軋轢が生じたりすると、いろんなゴタゴタを処理するおハチが回ってきたりして、(今回はそんなことにはなっていませんから、ご安心ください!) ストレスもたまる。12月12日までこちらにいらっしゃるそうなので、ぜひウチにもお招きしようと思っています。

では今回はこの辺で。


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