フェニーチェ歌劇場友の会
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■ツアー報告
行ってきました!
フェニーチェ劇場友の会 プレミア企画
ヴェルディゆかりのオペラと故郷を巡る「ミラノ・パルマ・ヴェネツィアの旅」報告

フェニーチェ劇場友の会では、去る2008年10月、オペラ鑑賞旅行では定評のある旅行会社ラテーザとの共同企画で「ミラノ・パルマ・ヴェネツィアの旅」を実施いたしました。以下、スケジュールに添ってご報告させていただきます。

■ミラノにて
2008年10月23日(木)、新東京国際空港を10:25発のスイスエアライン161便で出発。チューリヒでの乗継ぎをへて、ミラノのマルペンサ空港をほぼ定刻通りの時間に到着し、そのまま出迎えのバスで宿泊ホテルのジョリーホテル・ツーリングへ。
今回は、現地での合流のお客さまも含め11名の参加者と、上月光ラテーザ代表が添乗員として同行。さらに友の会からも現地合流も含め2名が参加しました。
翌24日から小グループでのオペラ・ツアーがスタートです。午前中はミラノ市内観光ですが、まずバスでサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会の『最後の晩餐』を見学。続いて偉容を誇るドウオーモやガレリアを見学、さらにミラノ・スカラ座の内部やスフォルツァ城などを見学しました。さらに地元のビジネス客などにも人気のレストランで昼食。その後は、スカラ座鑑賞まで自由行動です。
スカラ座では、鬼才ジョン・ノイマイヤーの代表的な振付作品である『椿姫』を鑑賞(オプショナル鑑賞)しました。『椿姫』といっても、ヴェルディのオペラとは違って、デュマ・フィスの原作に基づく作品で、音楽にはショパンの名曲がちりばめられオペラとは違った味わいのある作品でした。

■パルマにて
3日目は、ミラノからパルマへ大型バスで移動。昼食前には、ヴェルディの邸宅であったサンタガタのヴィラ・ヴェルディを見学。さらにブッセートでバレッツィ家を見学した後に、昼食はレストラン「ドゥエ・フォスカリ」で。このヴェルディのオペラの題名がついたレストランは、往年の名テノール、カルロ・ベルゴンツィが経営するホテル&レストランで、彼のデビューがこの作品であったことからのネーミングとのこと。
食事後は、客席数もわずか300席あまりという小さなヴェルディ劇場の内部見学です。当初スケジュールでは、翌日にはここで『海賊』を観る予定でしたが、ヴェルディ・フェスティバル(10月1日より28日まで開催)自体の日程変更で観ることができなくなったのは残念でした。その結果、ヴェルディ・フェスティバルでは、この日の『ジョヴァンニ・ダルコ』と、翌日『リゴレット』を鑑賞することになりました。
パルマでの宿泊ホテルは、スターホテル・ドゥ・パルク。通常より早い5時開演のため、ホテルで手早く着替えをして早速会場のパルマ・レッジオ劇場へ。この日の上演演目はヴェルディの愛国オペラ時代の作品『ジョヴァンナ・ダルコ』(オプショナル鑑賞)です。日本ではめったに上演されない作品だけに興味津々。原作はシラーですが、実際のジャンヌ・ダルクの史実とはやや異なる展開です。
主役のジョヴァンナには若手のソプラノ、スヴェトラ・ヴァッシレーヴァ、その父親ジャコモ役を名バリトンのレナート・ブルゾン、そしてカルロ7世にテノールのエヴァン・ボワーズという配役。指揮ブルーノ・バルトレッティ、演出ガブリエーレ・ラヴィアという布陣でした。 今回のヴェルディ・フェスティバルではそれぞれが新制作でしたが、演出はおおむねオーソドックスで、この『ジョヴァンナ・ダルコ』も工夫を凝らした装置ではありますが、しっかりとしたコスチューム・プレイとして存在感を感じさせます。歌手陣ではタイトルロールのヴァッシレーヴァはまずまずの好演。ブルゾンはさすがに往時の声量はないものの、歌役者としてのうまさを実感させてくれました。テノールはキャラクターとしては適役でしたが特記なしといったところ。
4日目は、パルマの半日観光です。まず徒歩で広大な庭園パルコ・ドゥカーレを横切り、イタリア最大の指揮者アルトゥーロ・トスカニーニの生家へ。残念ながら閉館中でしたが、外観を見学したあとはテアトロ・ファルネーゼのあるピロッタ宮殿へ。テアトロ・ファルネーゼはルネッサンス様式の木造の劇場建築。こけら落としには、フェルネーゼ家とメディチ家が婚姻した時に作曲されたモンテヴェルディの作品とか。さらにロマネスク建築の傑作ドォーモでは、コレッジオの描いた「聖母の被昇天」が見もの。
パルマではこの時期、大規模な「コレッジオ展」が開催されていましたが時間がなく、参加者の方が特別展示の一部をご覧になったようでした。さらにドゥーモの隣にある洗礼堂などを見終わったあと市内のレストランで食事。その後、ホテルに戻り、3時30分からの開演の『リゴレット』(オプション鑑賞)を鑑賞しました。
当日は、ジルダ役のニノ・マチャイーゼが休演し、代りにAキャストであったデジーレ・ランカトーレが出演。アナウンスがあった時には大きな拍手が起こりました。タイトルロールは、ゲオルゲ・ガニーゼ、公爵にはフランチェスコ・デムーロが出演。指揮はマッシモ・ザニッティ、演出はステファノ・ヴィツィオーリ。きわめてオーソドックスな演出で、練達なザニッティの指揮のもと、オーケストラもよく鳴っていました。第2幕の終盤の2重唱ではアンコールで再度歌われました。イタリア随一に厳しい耳を持つパルマ・レッジョ劇場としては、概して暖かい反応であったのは、年に一度のヴェルディ・フェスティバルということのせいでしょうか。天井桟敷からのブーイングもほとんど聞かれませんでした。中ではランカトーレが存在感を示したのみで、公爵もリゴレットも正直いってやや期待外れの感が否めませんでした。

■ヴェネツィアにて
5日目は、パルマから最終地のヴェネツィアへバスで移動。途中で友の会の新井代表から簡単なフェニーチェ劇場の概要をお話しながら、お昼少し前には到着。水上タクシーでただちにフェニーチェ劇場へ向かいました。劇場前では前日からヴェネツィア入りをしていた友の会の栗林芳彦事務局長とフェニーチェ劇場合唱団の小澤美鈴さんの出迎えを受けて、早速劇場内でウエルカム・ドリンクをいただきました。スプマンテやヴェネツィア名産のベリーニなどの他にサンドウィッチやカナッペなどが供されました。ひと休みいただいた後は、栗林事務局長の案内でフェニーチェ劇場内部を見学。一般では見ることのできないサーラ・ロッシなども見学しました。
劇場見学後はレストランで食事。午後はサン・マルコ寺院、ドゥカ−レ宮殿、リアルト橋などを観光し、由緒ある老舗ホテル「ボンヴェッキアッティ・ホテル」でお休みいただきました。(ちなみに、このホテルにはかつて『イタリア古寺巡礼』を書いた和辻哲郎やフランス文学者の澁澤龍彦なども宿泊しています)
6日目は、10時から友の会の栗林事務局長の案内で、「ヴェネツィア音楽散歩」(希望者による無料オプション)をお楽しみいただきました。ヴェネツィアには見るべき遺跡や美術品、建築物などには事欠きませんが、この町はまた音楽都市として栄え、古くはモンテヴェルディから、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ヴェルディ、ワーグナーなど、フェニーチェ劇場をはじめとする数多くの音楽家ゆかりの場所があります。一般の案内書には載っていない、そうしたゆかりの場所に訪問歴数十回を誇る、ヴェネツィアの生き字引でもある友の会の栗林事務局長が、細かな路地裏までご案内。そのくわしい説明には、参加者の方々もご満足のご様子でした。その後劇場ショップで参加者の方々にお好きなCDもしくはDVDを選んでいただき、友の会からのプレゼントとさせていただきました。
午後は自由行動となり、5時から開演の『ナブッコ』観劇に備えました。

■フェニーチェ劇場での『ナブッコ』
 4時にホテルに集合し、最寄りのゴンドラ乗り場からフェニーチェ最寄りのアンティコ・マルティーニ裏の船付き場までゴンドラに乗って、往時の貴族がフェニーチェに乗り付けた気分を味わいました。今回は水位の関係や劇場船付場の状況を考慮して、劇場への直接乗り付けはせず、正面入口から劇場入りしていただきました。
フェニーチェ劇場友の会では、今回お客さまにはイタリアでの劇場体験らしい桟敷でのご観劇をお楽しみいただくために、プラテア(平土間)ではなくすべて正面近くのパルコ(桟敷席)の第1列目をご用意しました。華やかなランプのもとで桟敷席からみるオペラもまた格別の楽しみです。
ご承知のように『ナブッコ』は、ヴェルディの出世作となった名作オペラ。指揮は日本でもおなじみの俊英レナート・パルンボ。ドイツのギュンター・クレマー演出による、紀元前の物語から現代に通じるユダヤの物語に読み替えての上演でした。衣裳もほぼ現代の服装で、いかにもドイツ表現主義的な演出にはいささか戸惑いもありました。
また、この日出演予定だったレオ・ヌッチは残念ながら休演となり、代りに本公演の同じキャストに名を連ねている名バリトン、アルベルト・ガザーレ(すでに日本でもおなじみ)が出演。ザッカリアにもヴェテラン、フェルッチョ・フルラネットと実力派低音歌手の競演となりました。注目のアビガイッレ役にはパオレッタ・マロキュー、フェリーナ役にはタチアナ・カローロが出演。イズマーレ役では若手テノール、ロベルト・デ・ビアジオが出演。いずれも熱のこもった演技と歌唱を聞かせてくれました。
中でも見ものだったのが、合唱の名曲『ゆけ、わが思いよ、黄金の翼に乗って』の舞台でした。幕が開くと合唱団がすべて斜に傾いた舞台に寝そべって歌うという演出には驚かされましたが、その感動的な歌唱にお客さまの中には涙を流す人もいらっしゃったほど。さすがにビスの声が鳴りやまず、今度は舞台前面に出て再度歌われたのが印象的でした。

■夕食会でのサプライズは?
終演後は、劇場近くのレストラン「ダ・ジリオ」で、フェアウエル・ディナーを兼ねての夕食会でした。
ここでお客さまにとってはうれしいサプライズ。なんと!さきほどイズマーレ役で出演したテノールのロベルト・デ・ビアジオさんが、合唱団の小澤さんとご一緒にわれわれの夕食会にご参加いただいたのです。これは彼と親しい小澤さんと旧知の栗林事務局長とのコネクションでの友の会ツアーならではのハプニング。ビアジオさん曰く、こんな会なら出演者全員を誘ってくるんだったとの声に、参加者の皆さん大拍手。せっかくの機会なので、ビアジオさんに今後のスケジュールから出演者の感想、他の歌手の評判まで、ちょっと公表しにくい?ここだけの話を披露していただきました。ビアジオさんは、すでに3回ほど来日公演しており『ルチア』ではランカトーレとの共演で評判になった、まさに期待の若手テノール。参加者の方々からのサインの求めや一緒の記念撮影にも気楽に応じてくれる実に礼儀正しい好青年で、参加者の方々もすっかりビアジオ・ファンになってしまわれたご様子。

■連日、おだやかな天候に恵まれて
翌朝早く、ホテルから水上タクシーでヴェネツィア空港へ。9:40発のスイスエアライン1664便でチューリヒ経由で東京行きの160便(全日空共同運行便)に乗り換えて、翌10月30日午前9時、無事帰国いたしました。お疲れ様でした。
そして次回は、ぜひあなたもご一緒に。

「ナブッコ」より 

企画:フェニーチェ劇場友の会
協力:フェニーチェ劇場
共同企画・旅行実施:株式会社ラテーザ

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